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最高裁判所第一小法廷 平成元年(オ)772号 判決 1990年7月19日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人管野兼吉の上告理由について

嫡出でない子と父との間の法律上の親子関係は、認知によってはじめて発生するものであるから、嫡出でない子は、認知によらないで父との間の親子関係の存在確認の訴えを提起することができない。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論引用の判例は、右のような訴えの提起を認める趣旨を判示したものとはいえない。論旨は、違憲をいう点を含め、ひっきょう、独自の見解に立って原審の右判断における法令の解釈適用の誤りをいうものにすぎず、採用することができない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大内恒夫 裁判官 角田禮次郎 裁判官 四ツ谷巖 裁判官 大堀誠一 裁判官 橋元四郎平)

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